玄米の浸水時間は?失敗しない浸水時間と水加減について解説
玄米は栄養価が高いことから、最近では健康志向の人たちにも人気が高まっています。
しかし、美味しく炊くことは意外に難しいですよね。
そこでこの記事では玄米の浸水時間と水加減について、玄米食歴9年の筆者がどこよりも詳しく解説した内容になっています。
実際問題として、浸水時間は炊き上がりの美味しさや食感を大きく左右します。
浸水時間が短いと硬かったり、炊き上がりが不均等になったりする原因に。
一方で、ちょっとした工夫で白米のように柔らかく炊き上げることができるんです。
初心者の方にも分かりやすい動画や実践的な小ワザをまとめたので、ぜひ最後まで読んでみてください!
(てっとり早く浸水時間&水の分量を知りたい人はこちらからジャンプ↓)
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玄米を浸水する目的
玄米を浸水する目的は炊き上がりをやわらかく、ふっくら食感に仕上げるためです。
玄米は固い・パサパサ・まずいというマイナスイメージも強い食材ですよね。
ところが浸水をしっかりと行うことで白米のようにふっくらとして、冷めてもモチモチの食感にすることができます。
玄米の中心部まで水を吸わせる
玄米の浸水のポイントは、お米の中心部まで水を吸わせることです。
中心まで水を吸っていないと炊いたあとに芯が残り、固い印象を与えてしまいます。
ポイントは最低でも4時間以上は浸水時間を作るようにしましょう。
(くわしい浸水時間はこちら↓)
強い火力・強い圧力でお米の中心部まで火を通す
炊飯時の火力も重要です。
お米は強い火力で炊くことで中心まで均一に火が入ります。
一般的なコンロやIHヒーターの火力があれば十分です。
また、強い圧力をかけることで玄米のぬか層を突き破り、モチモチ食感もアップ。
炊飯の道具としては、圧力鍋が一番適しています。
圧力鍋の次に、厚みがあって火力を逃がさない土鍋やダッチオーブンもおすすめです。
鍋の購入をお考えなら、大きめサイズにしておくと吹きこぼれの心配がありません。
玄米以外にも加圧調理に重宝するので、圧力鍋なら6リットル(6合炊き)以上がいいですよ。
炊飯器であれば圧力IH式炊飯器か、より高火力・高圧力の玄米専用炊飯器が適しています。
【参考記事】玄米には圧式・玄米専用炊飯器?玄米をおいしく炊くコツを解説
さらに長時間浸けることで発芽させ、栄養価がアップする
玄米ならではの特徴として、玄米は発芽させても食べられるというのがあります。
ただし、発芽するには24時間~48時間くらい水に浸ける必要があるので時間が必要。
毎日炊くのは手間だという人もいるでしょうから万人にはすすめられません。
ですが、発芽玄米にはγ-オリザノール、リノール酸など多くの有益成分が含まれ、ストレスを緩和するGABAが増加することがわかっています。
興味のある人はぜひ浸水時間をマスターして、発芽玄米にもチャレンジしてみてください。
【参考記事】発芽させるとどうなる?発芽玄米のメリットと酸っぱい匂いの対処法
玄米の理想的な浸水時間と水の分量
&水の分量…
- 浸水時間は最低でも4時間以上
- 冬は6~8時間と長く浸け、夏は冷蔵庫で雑菌対策を
- 水の分量は玄米1合につき220ccが目安
①:浸水時間は最低でも4時間以上とる
浸水時間は最低でも4時間以上はとるべきです。
というのも、玄米の表面にはロウ層という水をはじく性質の層があり、白米よりも浸水に時間がかかります。
なにより、玄米の有益成分のほとんどはぬかに含まれるので、時間をかけてぬかをやわらかくした方が胃腸で消化・吸収されやすく、より高い健康効果がえられます。
②:冬は6~8時間と長く浸け、夏は冷蔵庫で雑菌対策を
一度ザルにあけてよく水をきり、ふたたび水を加えて浸水をスタートします。
あずきなどの雑穀を入れる場合、このとき一緒に浸けておきましょう。
米研ぎの時に一緒に洗ってしまってもOKです。
冬は浸水時間を長めにとる
水温は浸水時間に大きく影響します。
水温が低いほど浸水に時間がかかるので、水の冷たい冬は浸水時間を長くとるようにしてください。
目安としては6時間~8時間以上がいいでしょう。
水温の高い夏は冷蔵庫にいれる
逆に水温の高い夏は短い浸水時間ですみますが、長く常温でおくと雑菌がわき、酸っぱいにおいの原因に。
そのため発芽させるために長時間置く時や、ひと晩置いておく時は冷蔵庫に入れると雑菌の繁殖を抑えられます。
③:水の分量は玄米1合につき220ccが目安
炊き上げる時の水加減は1合あたり220ccが適量です。
炊飯器であれば目盛りまで水を加えればOK。
圧力鍋や土鍋なら計量カップを使って正確にいれましょう。
お米や各ご家庭の調理器具によって水加減は若干異なります。
固い・やわらかいの微調整はお好みでしてみてくださいね。
玄米の研ぎ方・炊き方のコツ
研ぎ方にもふっくら・モチモチに炊くコツがいくつかあるので紹介します。
おいしく炊くコツ①:最初の1分はよく洗う
玄米の表面には田んぼでついた細かい汚れがついてるので、水を張って1分ほどよく研ぎましょう。
おいしく炊くコツ②:水を1、2回替えて表面にキズをつける
一度水を替え、ふたたびよく研ぎます。
玄米どうしをこすり合わせるように研ぐことで表面に小さなキズがつき、水が入りやすくなります。
しっかり力を入れて研ぐか、泡だて器を使うと便利です。
玄米が硬くて苦手な人にオススメなのが、泡立て器でのお米研ぎです
— スタコジ|玄米と発酵とドカ弁 (@yurugenmai) August 23, 2022
泡立て器でお米同士をこする感じで約5分研ぐと、玄米の表面にキズがついて水が浸透しやすくなり、内側からふっくらと炊くことができます
水加減やお塩を一つまみ入れるのも大事ですが、硬さが気になる方はぜひ試して見てください😄 pic.twitter.com/zupVYrTaQy
泡だて器は炊飯釜を傷つけないよう、先がシリコン製のものをおすすめします。
水のにごりがとれるまで1,2回水を替えながら研ぎます。
細かい研ぎ方は動画がわかりやすい
文章でなく動画で玄米の研ぎ方を知りたい人はこちらの動画がわかりやすくておすすめです↓
炊飯器をお使いの人であれば、米研ぎが終わりましたらあとはセットするだけでOK。
圧力鍋や土鍋を使う人は、火加減についてここから詳しく紹介します↓
おいしく炊くコツ③:最初は強火→弱火20分→蒸らし5分
炊飯のコツは
最初は強火→弱火20分→蒸らし5分
です。
これはどの鍋を使っても共通ですので、ぜひ覚えておいてください。
玄米をよりおいしく炊く小ワザ
炊く前の水を替える
長時間玄米に浸けた水をかいでみると、水そのものに玄米のにおいが移っています。
このまま炊いても問題はありませんが、玄米のにおいが苦手という人はここで水を替えるとにおいが抑えられて、食べやすくなります。
ザルに玄米をあけ、水を切ったら炊飯用の水を入れてください。
分量はやはり1合あたり220ccが目安です。
塩をひとつまみ入れる
塩をひとつまみいれると玄米の味がまとまってよりおいしく炊き上がります。
玄米にはミネラルの吸収を阻害すると呼ばれるフィチン酸が含まれますが、塩を入れることでフィチン酸が塩のミネラルと結合し、影響を抑えてくれます。
正直、フィチン酸そのものはあまり気にしなくていいとされていますが、シンプルに炊き上がりがおいしくなるのでおすすめです。
【参考記事】フィチン酸が気になる人必見!玄米を美味しく食べる方法
塩の種類はミネラルがより豊富な天日塩がおすすめです。
【参考記事】天然塩?精製塩?塩の表示はどこを見ればいい?知っておきたい塩の見分け方
よくある玄米の浸水時間Q&A
Q:浸水時間を短くするにはどうしたらいい?
A:水温を高くすると浸水時間は短くできます。
35~40℃程度のぬるま湯に浸けると効果的です。
水温が高いほうが浸水時間は短くなります。
玄米をよく研いだあと、35~40℃くらいのぬるま湯に浸けると効果的です。
玄米専用炊飯器の中には玄米の早炊き機能がありますが、これは内釜の水を一度温めて、浸水時間を大幅に短くすることで早炊きを可能にしています。
(早炊き機能の詳細はこちら)
ただし、雑菌もわきやすくなるので長時間放置するのはやめましょう。
Q:浸水しなくても玄米を炊くことは可能?
A:基本的には浸水するのがおすすめ。
どうしてもできない時は、「びっくり炊き」で浸水なしで炊くことができます。
玄米をおいしく炊くなら、基本的にはしっかり浸水するのがおすすめです。
しかしどうしてもできない時にはびっくり炊きという方法で炊くこともできます。
びっくり炊きとは秋田県発祥の炊いてる途中に差し水をして炊く方法のことです。
浸水しないので力を入れて研ぐ手間もいらず、サッと流して炊けるのもメリットのひとつです。
水加減はちょっと特殊でコツがいります。
玄米1合につき1.2~1.5倍の水で炊き、水気が無くなったら1倍のびっくり水をいれて再び炊いて完成。
細かい炊き方はこちらの動画がわかりやすいのでご参考ください↓
Q:玄米をより柔らかく炊く方法は?
A:塩のかわりに塩麹を入れて炊くとより柔らかく炊けます。
塩麹にはお米のでんぷん・タンパク質を分解する分解酵素が豊富に含まれています。
炊く時に1合につき小さじ1杯程度の塩麹を入れるとふっくらと柔らかく炊き上がります。
また、塩が玄米の味をまとめてくれるのでそのまま炊くよりおいしく炊き上がるのでおすすめです。
まとめ
今回紹介した内容をもう一度確認しておきましょう。
- 浸水時間は最低でも4時間
- 冬は6~8時間と長く浸け、夏は冷蔵庫で雑菌対策を
- 水の分量は玄米1合につき220ccが目安
玄米の浸水時間は、美味しさや栄養素を引き出すための重要な工程です。
固いぬかで覆われてるぶん、白米や分づき米とは調理方法が少し異なります。
中心部にまで水を吸わせる工夫として
- 力を入れて玄米を研ぐ(泡だて器を活用)
- ぬるま湯に浸ける
- 塩麹を入れて炊く
というテクニックが有効です。
ぜひこれらのポイントを参考にしてもらって、やわらくておいしい玄米ごはんを炊いてみてください!
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