食中毒の心配は?発酵のプロが酵素玄米について徹底解説
- 酵素玄米の「酵素」について知りたい
- 酵素玄米で食中毒にならないか心配
- 酵素玄米の理屈をちゃんと知りたい
何日も保温して食べるらしいけど、食中毒が心配だな…。
そもそも酵素ってなに?
酵素玄米は炊いた玄米を3日間保温して作られます。
そのため食中毒を心配する声も多いですが、正しい知識を持ってやれば安全に作ることが可能です。
ただ、酵素玄米はメリットが多いぶん手間も時間もかかります。
「酵素」「作り方」「手間と時間」このへんを理解していないと、酵素玄米のメリットを感じる前に挫折してしまう可能性が。
もちろん、作り方を誤れば食中毒のリスクだってあるわけです。
せっかくならちゃんとした酵素玄米を食べて、効果を実感してみたいですよね。
- 正しい酵素玄米の作り方
- 酵素についてのギモン
- 完成までの手間と時間
結論からいうと、酵素玄米は化学反応を用いた高度な調理方法です。
炊いた玄米を炊飯器で保温することでメイラード反応という化学反応を利用して
- 玄米を食べやすくする
- 玄米の栄養価をさらに高める
という効果も期待できます。
玄米食に興味がある人にとって必ず役に立つ調理方法です。
発酵に関わる仕事に10年以上就いてる筆者が「酵素」についても徹底的に解説していますので、ぜひ酵素玄米に関するギモンを解消していってください!
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酵素玄米についておさらい
まずは酵素玄米とは?についておさらいしておきましょう。
酵素玄米は、秋田県で医師をしていた長岡勝弥さんによって1980年代に開発された玄米の調理方法です。
一般的に長岡式酵素玄米と呼ばれ、40年以上経った現在でも食に関心の高い人たちから注目されています。
後ほどくわしく触れますが、
- 酵素玄米
- 寝かせ玄米
- 熟成玄米
といろいろな呼び方がありますが、基本の作り方はどれも一緒です。
炊いた玄米を3日以上保温して、モチモチ・プチプチ食感に仕上げた玄米ごはんのことを指します。
(以降では注意書きがない限り、酵素玄米=長岡式酵素玄米として話を進めていきます。)
酵素玄米の作り方
酵素玄米の作り方のポイントをおさらいすると
- 発芽させる
- 豆類か雑穀を混ぜる
- 3日以上保温する
この3点です。
発芽玄米を使うのが酵素玄米
玄米を水で洗ったあと、常温で1日~2日(1日1回水を替える)、または40℃位のぬるま湯に一晩浸けて発芽を促します。
そうすることで玄米の胚芽からγ-アミノ酪酸(GABA)が生成。
GABAは精神安定作用・血圧抑制効果が確認されていて、ストレスを受けやすい現代人にとってうれしい有益成分です。
豆類か雑穀を混ぜて炊く
酵素玄米では豆類や雑穀と一緒に炊くのが一般的です。
豆類や雑穀で栄養を補う効果がある
特に豆類にはトリプトファンというアミノ酸が多く含まれており、トリプトファンが玄米のビタミンB6と反応してセロトニンという精神安定物質が生成。
このセロトニンにはイライラの抑制・リラックス効果があることがわかっています。
また、ビタミンB2・B12など玄米だけでは不足しがちな栄養素を補えるといううれしい効果も。
栄養価の高い玄米ごはんをさらに完璧に近づけてくれるので、こちらも忙しい現代人にはうれしい効果ですよね。
【参考記事】・玄米に最適な食べ合わせは?日本一有名な玄米食を徹底的に調べてみた【結論:少しの野菜と肉・魚でOK】
炊飯器で3日以上保温する
酵素玄米最大の特徴がこちら。
炊飯後3日以上かけて保温するという世界的にも非常にめずらしい調理方法で作られます。
具体的には圧力鍋で炊いた後に炊飯器に移し、保温機能を使って70℃~80℃で3日間以上、1日1回混ぜて保温するというもの。
そうすることで適度に水分が抜け、モチモチ・プチプチの食感が生まれます。
酵素玄米ができるまで
酵素の働きについて
作り方をザっと紹介しました。
作り方はわかったけど、結局酵素ってどこで働いてるの?
そもそも酵素ってなに?
ここからは肝心の、酵素玄米の酵素について紹介していきます↓
酵素=はたらくタンパク質
酵素とはある特定のはたらきを持ったタンパク質のことです。
たとえば消化酵素という酵素はだ液や胃液などに含まれ、食べ物の成分を細かく分解してくれます。
洗濯洗剤に入ってる酵素もこの仲間で、皮脂汚れやタンパク質を細かく分解して汚れを洗い流しています。
他には代謝酵素という酵素は栄養素の吸収と燃焼を助け、新陳代謝に役立つ酵素です。
じつは皆さんもよく知るビタミンも、この代謝酵素の仲間なんです。
酵素は発芽の時に働く!
玄米は種子ですので、水に浸けていると発芽しようとします。
発芽にはエネルギーが必要ですので、玄米がアミラーゼ・プロテアーゼといった酵素を出して自分自身のでんぷんやタンパク質の分解がスタート。
この際、人間にとっては栄養素がより細かい分子に分解されて、食べた時に消化・吸収効率が上がるメリットが得られます。
酵素玄米も寝かせ玄米も基本はいっしょ
酵素玄米は他にも寝かせ玄米とか熟成玄米という名前がありますが、基本はすべて一緒です。
どれも共通して、玄米を炊いたあと3日以上保温してから食べるという調理方法は共通しています。
発芽米でない場合、寝かせ玄米とか熟成玄米とも呼ばれる
酵素は発芽の時に生じますので、発芽米でない通常の玄米を使う場合は酵素という名前を使わずに寝かせ玄米や熟成玄米といった別の呼び名で呼ばれることもあります。
(寝かせ玄米についてより詳しくはよくある質問にジャンプ↓)
酵素玄米と普通の玄米の違い
炊いた玄米を3日間も保温するので手間と時間がかかりますが、そのぶん普通の玄米には無い特徴が生まれます。
もちもち・ぷちぷち食感
長期間保温することによって適度に水分が抜けてもちもち・ぷちぷちの食感が生まれます。
適度に玄米のぬか臭も抜けて子供でも食べやすくなるので、食べやすくするために酵素玄米を作る人も多いぐらいです。
メイラード反応で色が濃くなる
保温をしてる間に、玄米の色が徐々に濃くなるのも酵素玄米の特徴です。
これはメイラード反応という化学反応と呼ばれています。
おはようございます。
— 自宅製麹員@麹ブロガー (@jitakuseigikuin) February 20, 2022
久しぶりに寝かせ玄米(左)を作りました。
右は炊いてすぐのやつ。
比べるとしっかりメイラーってますね。 pic.twitter.com/EHe1tJgso3
じつは、酵素玄米ではこのメイラード反応がめちゃくちゃ重要です。
玄米をわざわざ3日間保温する目的はこのメイラード反応のためだと言っても過言ではありません。
メイラード反応ってなに?
メイラード反応とは、糖とアミノ酸が反応して褐色物質メラノイジンを生み出す反応で、色や香りに影響を及ぼします。
身近な例でいえば、味噌がだんだんと褐色になって、複雑な味と香りが生まれるのもメイラード反応によるものです。
このメイラード反応によって玄米そのままよりもより多くの有益な成分を引き出すことが確認されています。
メイラード反応でメラノイジンが生まれる
メイラード反応によって玄米の糖とアミノ酸が結合して褐色成分のメラノイジンが作り出されます。
このメラノイジンは強い抗酸化作用があり、活性酸素による体の老化を抑える働きが注目されてる成分です。
メイラード反応は体に悪い?
メイラード反応は体に悪影響だという情報もありますが、これは半分本当で半分が間違いで、メイラード反応そのものに害はありません。
正確には120℃~130℃の温度帯で生じるアクリルアミドに毒性・発がん性が指摘されています。
よく揚げ物や調理時のコゲがよくないと言われるのは120℃以上の高温のため。
酵素玄米の保温温度は70℃前後なので、これによるメイラード反応で生じるのがメラノイジンです。
有害なアクリルアミドは生じません。
酵素玄米でよくある質問
Q:3日間も保存して食中毒にはならないの?
A:清潔な道具で正しく作れば、まったく問題ありません。
酵素玄米で食中毒を起こさないためには、道具を清潔に保つことがなにより重要。
一般的な炊飯器の保温温度は70℃前後と高めなので、雑菌の繁殖は起こりづらい環境です。
また、メラノイジンはアルカリ性なので、生成が進むほど玄米がアルカリ性に傾いて雑菌の繁殖を防ぐ働きがあります。
【注意点】必ず清潔な道具でまぜる
ただし、完璧ではありません。
例えば納豆菌は121℃で20分以上でないと死滅しない熱に強い菌です。
そのため、
- 清潔なしゃもじ・道具を使う
- 保温中に異臭やネバネバとした異変が出たら食べない
- 完成後3~4日で食べきる(もしくは小分けにして冷凍保存)
という点に注意が必要です。
冷凍保存の際には1週間~10日間くらいを目安に食べきりましょう。
Q:酵素玄米と寝かせ玄米の違いは?
A:違いは「発芽」してるかしてないかだけ、です。
見てきたように、酵素玄米は発芽玄米を使うのが一般的で、寝かせ玄米は普通の玄米を使うという違いがあります。
実は、寝かせ玄米は㈱結わえるの商標登録
また、実は「寝かせ玄米」という言葉は㈱結わえる社の商標登録です。
結わえるが販売している寝かせ玄米ごはんパックは3日間の保温はしますが、通常の玄米を使用しています。
・詳しくはコチラ
ちなみに、紹介したメイラード反応は普通の玄米でも発芽玄米でも生じるので、家で作るなら発芽玄米でも普通の玄米でもどちらでもOKです。
まとめ:
寝かせ玄米の特徴をまとめると以下の通りです↓
ひとつひとつを紐解いていくと、炊いた玄米を3日間寝かせるメリットがはっきり見えてきましたね。
メリットはいくつもあるのですが、「酵素」って名前だけだと具体的なメリットが分かりづらいですよね。
ですから、具体的なメリットをしっかり紹介して納得いただいた上で興味を持って欲しいと思い、この記事を作成しました。
ご意見・ご質問等ありましたら、どうぞお気軽にコメント欄からお寄せください。
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